北海道は日本の国土の約22%を占めると言われています。
また、お米の生産量も新潟県に次ぐ全国2位と言われていますが、意外にも酒蔵はそんなに多くはありません。
しかし、ここ数年で新設、移転された蔵も複数ありますし、日本酒に限らず考えると新設された蒸留所も複数あるので、お酒に関しては盛り上がりを見せていると感じているところです。
そこで、本記事では北海道にある酒蔵と、おすすめ日本酒についてご紹介していきたいと思います。
道北エリアの酒蔵
まずは道北エリアからのご紹介です。
男山(旭川市)
旭川市の国道39号線を車で走行していると、すごい存在感を感じる男山酒造です。
男山は「酒造り資料館」があり自由に見学することが可能です。酒造り資料館では昔の酒造りの道具の展示や試飲コーナーがあります。
また、男山「やってみるべ部」があり、新しい試みなどが挑戦されていて、おもしろい蔵です。自分のアイディアを応募したりすることもできるようです。
なお、12月には新しい仕込みを行うため、残った日本酒をブレンドして格安で提供される「好都合(通称:おとくやま)」が北海道限定で販売されています。
男山の基本データ
- 蔵名 男山株式会社
- 蔵所在地 北海道旭川市
- 創業 明治20年(西暦1,887年)
- 主要銘柄 男山、北の稲穂
男山 純米大吟醸
1,977年に日本酒では世界初となる、モンドセレクション金賞を受賞した日本酒「男山 純米大吟醸」です。少し高級なので庶民には手が出しがたいですね・・。
男山「北の稲穂」
こちらは北海道の酒造好適米「吟風」を使用した大吟醸酒「北の稲穂」です。
男山は辛口が多いイメージがありますが、こちらは「やや甘口」です。純北海道産の材料で作られていますのでお土産にも最適です。
高砂酒造(旭川市)
同じく旭川市の高砂酒造です。
この蔵ではかなり珍しい、お酒のタンクごと雪の中に埋めて春まで熟成させる「雪中貯蔵酒」を造っています。(ちょうど、ひやおろし」の逆パターンでしょうか。
そして注目なのは、若い人たちだけでお酒を醸している「若蔵」(わかぞう)です。
私は入手できておらず飲んだことがありませんが、ワイン酵母で醸した日本酒などもあり、きっと現代的な日本酒で美味しいのではないかと想像しています。
高砂酒造の基本データ
- 蔵名 高砂酒造株式会社
- 蔵所在地 北海道旭川市
- 創業 明治32年(西暦1,899年)
- 主要銘柄 国士無双、旭神威、大雪
高砂酒造「国士無双」
やはり高砂酒造といえば「国士無双」のイメージが強いです。国士無双は色々な種類が販売されており、高級なものや北海道限定なども存在しています。
国士無双には北海道の酒造好適米「吟風」「きたしずく」「彗星」などを使用した日本酒もラインナップされています。
高砂酒造「大雪」
こちらは蔵の説明に記載した「雪中貯蔵」の日本酒「大雪 純米吟醸酒」です。雪中貯蔵を行うと、角がとれ、まろやかな味と香りになるのだとか。
こちらも、北海道の酒造好適米「吟風」が使用されています。
合同清酒 ー大雪乃蔵ー(旭川市)
合同清酒といえば、ビックマンやGRAND_BLEU(グランブルー)、鍛高譚(しそ焼酎)などの焼酎のイメージがありますが、日本酒も作られています。
また、合同清酒は全国区の大きい企業ですが、旭川の大雪乃蔵では日本酒を北海道の酒造好適米「吟風」や「彗星」などを主に使用しているので、北海道の日本酒と言って良いと思います。
合同清酒「大雪乃蔵」
北海道のお米を使用した特別純米酒「大雪の蔵」が代表的な日本酒と思います。このお酒は北海道ではスーパーなどの量販店で入手できますし、お求めやすい価格帯です。
燗酒を飲むときに良く購入します。
合同清酒「Chateau TAISETSUNOKURA」
ワイングラスで香りを楽しむをコンセプトにした日本酒、Chateau TAISETSUNOKURA(シリーズ)です。北海道の酒造好適米「吟風」「きたしずく」「彗星」などがラインナップされています。
国稀酒造(増毛町)
北海道の増毛町(ましけ町)の国稀酒造は最北の酒造(HPによる)との事です。また、国稀酒造は毎日の晩酌で楽しむ普通酒の精米歩合を65%にしており、普通酒の美味しさを追求する蔵でもあります。
なお、酒蔵見学も実施しており、試飲コーナー(利き酒コーナー)は全種類のお酒を試すことが出来ます。
国稀酒造の基本データ
- 蔵名 国稀酒造株式会社
- 蔵所在地 北海道増毛町
- 創業 明治15年(西暦1,882年)
- 主要銘柄 国稀
国稀酒造「普通酒 国稀」
国稀には吟醸酒もありますが、普通酒のおいしさを追求している蔵なので、飲むとしたら普通酒の「国稀」や「国稀 上撰」が良いかもしれません。
このお酒は、飲み放題日本酒で採用している居酒屋などもあります。美味しいので酔っぱらってしまいますね。
国稀酒造「吟風国稀」
「吟風国稀」な名前のとおり北海道の酒造好適米「吟風」を使用しております。お値段もお手ころですし、お土産には最適だと思います。
上川大雪 -緑丘蔵-(上川町)
上川大雪酒造は三重県にあった酒蔵を移転し、2018年に創業した新しい酒蔵で、北海道の酒造好適米「彗星」「吟風」「きたしずく」の3種を使用して日本酒を造っています。
近年は美味しさが評判となっており、北海道の地酒屋さんには必ず売っているといっても過言ではありません。
上川大雪 -緑丘蔵-の基本データ
- 蔵名 上川大雪酒造株式会社(緑丘蔵)
- 蔵所在地 北海道上川郡神河町
- 創業 平成28年(西暦2,016年)
- 主要銘柄 上川大雪
上川大雪 ー緑丘蔵-「特別純米酒 彗星」
彗星を使用した特別純米酒は、吟醸酒のような香りをほのかに感じ、甘みや酸味のバランスがとても良い「のまさる日本酒」です。
三千櫻酒造(東川町)
旭川市のお隣の東川町に蔵を構える三千櫻(みちざくら)酒造は、2020年に岐阜県から北海道へ東川町公設で移転してきた、北海道としては新しい酒蔵です。
新しい酒蔵なので、北海道の酒屋さんでPRの試飲会を行っているイメージがありますね。
三千櫻酒造の基本データ
- 蔵名 三千櫻酒造株式会社
- 蔵所在地 北海道東川町
- 創業 令和2年(西暦2,020年)
- 主要銘柄 三千櫻
三千櫻「愛山60」
北海道の酒蔵なので、北海道のお米を使用した商品を押したいところですが、私のイチオシしは「純米愛山60」です。「愛山40」も存在していますが、比較的割れやすいとされる愛山ですので精米歩合が高い商品はとても高価ですので、こちらを押したいと思います。
三千櫻「彗星55」
こちらは北海道の酒造好適米「彗星」を使用した「純米吟醸彗星55」です。オール北海道の商品ですのでお土産にも最適ですし、とても美味しいですよ。
また、「純米大吟醸彗星45」もあります。価格差もそれほど大きくないのでお好みで選ぶとよいと思います。